中長期経営計画

 厚生労働省が示した「地域医療構想」においては、団塊の世代が75歳以上となる2025年を念頭においた新たな医療提供体制の構築が提唱されています。今回の新型コロナによってその動きは多少緩むことも想定されますが、急性期医療を提供する医療機関の集約は不可避であろうと思われます。その一方で、ロボットを使用した手術や、がんゲノム等の遺伝子解析による個別化医療が一部で実現されるなど医療技術は目覚ましく進歩しています。
 したがいまして私どもは、従前より得意としてきた整形外科領域や循環器領域(循環器内科・心臓血管外科)といった大市場においては、各種デジタルツールの導入や人員配置の適正化などを通じて高効率なサービス提供に磨きをかけてまいります。また、最先端領域においては技術・学術情報をいち早くお客様にお届けすることによって、医療の発展に貢献してまいります。あわせて、これまで十分に営業活動ができていなかったクリニック(診療所)についても、オンライン診療の支援などビジネス展開の可能性を探ってまいります。
 医療を取り巻く環境の変化は、医療機関に最も近い存在である私ども医療商社にとって、顧客ニーズに適したサービスを開発するチャンスとなります。社内研修のweb講義へ移行や、e-learning整備などを通じて、これらに必要な人材育成への投資を惜しまず、また、社員一人ひとりが健康で生き生きと働けるように「働き方改革」と「健康経営」に取り組みながら、社会にいっそう貢献し、国民の健康長寿に寄与してまいります。
 以上を踏まえ、中長期的な方針として以下の8つを掲げています。
①高いシェアを有する整形外科ビジネスにおいて、顧客、仕入先、そして当社が三方良しとなるような業務プロセスの再構築
②RPA(Robotic Process Automation:定型業務の自動化技術)の導入やQC活動(業務品質の改善活動)による社内業務の合理化・効率化
③医療器材事業全体での仕入交渉力の強化
④ICTを活用した営業活動のDX(Digital transformation:デジタル化によるビジネスモデル等の再構築)による、顧客提供価値の最大化
⑤新規事業開発を通じた収益源の多角化により、様々なヘルスケアの課題に持続的に対応できる体制の構築
⑥ものづくり企業との医工連携による、ヘルスケアの課題解決に資するような製品の開発
⑦働き方改革の一環としてのテレワーク導入、並びに健康経営の推進
⑧当社グループの企業理念である「社員憲章」の浸透による組織力の向上
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